2009年2月18日水曜日

辞書について


大 きな物体の諸部分を至近距離で撮ったフィルム[普通は、映画、をいう]を使って、何ものかの写真であるようにはもはや思えないような写真記録を得ること。 これら半ば顕微鏡フィルムを使って、それぞれのフィルムが、文章をなす単語グループ一つあるいはばらばらの単語グループ一つの表現となるような辞書を一冊 つくること。そうすれば、このフィルムは新しい意味作用を持つ。あるいはむしろ選ばれた文章または単語がこのフィルムに集中することによってこのフィルム に一種の意味作用形式が与えられる。そしてフィルムと意味作用─単語によって表現される意味作用─との間のこうした関係は知らされたならばたちまち「衝撃 的なものとなり」、一種のエクリチュールに基礎として役立つのである。
このエクリチュールとはさらにもはやアルファベットまたは単語を持たずにすべての日常言語の「赤ちゃん言葉[ベビートーク]」からすでに解放されている記号(フィルム)を持つようなエクリチュールのことである。
─これらのフィルムを、辞書の場合と同じようにどれでも探し出せるような順序に分類する手段を見つけること。

フランス語、あるいは英語(あるいは他の言語)あるいは混合言語の固有名詞のリストを─姓だけでなく名をつけて(アルファベット順あるいはそうではなく)─つくること、等々。

絵画における写本彩飾師風の(筆写主義)について(<造形には造形で>)、反座主義)

一種の絵画的唯名論((抑制すること))
[裏に]一九一四年

絵画的有名論というとティエリー・ド・デューヴ『マルセル・デュシャン――絵画唯名論をめぐって』

鎌田博夫訳、法政大学出版局、2001

絵画と呼べないものを可能な絵画と名づけること――ド・デューヴが「絵画的唯名論」と呼ぶレディメイドの核心は、まさにこの矛盾のなかに潜んでいるわけである。

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