2009年2月27日金曜日

透視図法


透視図法
不完全で自由にされた主要な形
独身者装置または器具の主要な形は不完全である。つまり、主要な形とは長方形、円、正方形、平行六面体、対称的偏円、半球である。
すなわち、これらの形は測定されている(それらの現実的大きさの比率と独身者器具にこれらの形を割り当てるときのこれらの大きさの比率)。

<花嫁>では。主要な形は多かれ少なかれ大きいか小さくなるだろうが、それらの割り当てに従った測定値を持つことはもはやない。つまり、花嫁の球体は何かしらの光輪でつくられるだろう(球体を表わすために与えられる光輪は「虚構であり点描される」)。

図5 跳ね返り

同じくそしてそれ以上に、(雌の縊死体)では、いくつかの放物線、いくつかの双曲線(あるいはそれから派生する量塊)は測定された状況のあらゆる特徴を失うだろう。
それらの具体的表現はこれら自由になった主要な形のそれぞれの一例にすぎないだろう(表現的価値はないが、最良にも最悪にもなりうる一例である)。


デュ シャンは異常なまでに透視図法に対してこだわりを見せた。このこだわりは彼の四次元に対する興味に由来する。四次元を三次元として、視覚できるかたちでそ れを把握するための手段をそれに求めたのである。彼にとっての透視図法とは四次元のみならず、さらにすべてのモノを見るという行為の最も確かな概念装置で あった。

「レプリカ」を超えて(角田拓朗) 

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